2024年6月30日 抜去歯でRCTのトレーニングを行う意義
1年間で研修医は抜去歯でのRCT,RCFを30本前後行います。
抜去歯でなければできない事、抜去歯だからこそできる検証があるからです。
術前、拡大後、根充後のレントゲンを観てください。拡大後のレントゲンではわかりにくいですが根充後のレントゲンでは近心根のガッタパチャーが根の股にかなり近いところまで来ているのがわかります。
ではこれをグラインダーで根尖から1ミリづつカットしていきます。根尖付近はしっかり根充できています。
しかし根分岐部直下の断面では一か所ストリップパーフォレーションを起こしかねない拡大がされているのが分かります。
これはエンド三角を拡大前にしっかりされていなかった準備不足とニッケルチタンファイルで分岐部方向に漫然と拡大したことが原因です。
そして歯髄の解剖の考慮も欠けていることがわかります。こうやって検証して本人にフィードバックすることが臨床では重要なのです。
拡大前
拡大後
根充後
根尖付近は密に充填できています
分岐部直下近心根は分岐部方向に過大な拡大がされています
